生活保護には利用のための厳格な条件があります。
このため、その条件を満たすことができない人は受給どころか、申請もさせてもらえません。
では、どのような人だと生活保護が受けられないのでしょうか?
目次
この4つの条件に当てはまる人は生活保護を受けられません!
生活保護が受けられるのは「持っているものをすべて活用しても生活ができない人」であるため、以下の4つにひとつでも当てはまる人は受給できません。
- 売却できる資産がある
- 働くことが可能
- 他に利用できる公的制度がある
- 親族等から援助を受けることができる
売却できる資産がある
売却できる資産がある場合、それらをお金に換えれば生活できる可能性があるため、基本的に生活保護は受給できません。
資産がある場合、まずは売却することを求められます。
働くことが可能
働くことができるのであれば、働いたお金で生活をしていくことを求められます。
このため、働ける能力がある人は原則生活保護を受けることができません。
ただし、働いても生活が困窮するのであれば、受給できる可能性があります。
他に利用できる公的制度がある
年金や失業手当など、他に利用できる公的制度がある場合、まずはそちらを受けることを優先されます。
他の公的制度によって生活ができるのであれば、その人は生活保護を受給できません。
他の公的制度を利用しても生活が困窮するという条件を満たして、受給できる可能性が出てきます。
親族等から援助を受けることができる
親族等から援助を受けられれば、そのお金で生活できる可能性があり、そうした場合は生活保護の受給はできません。
生活保護の審査では「扶養照会」といものがあります。
扶養照会では「3親等以内の親族」に、「○○さん(申込者)が生活保護を申請していますが生活費の援助をできませんか?」というような内容の問い合せがあります。
この扶養集会で親族からの援助が受けられないと判段された人のみが、生活保護を受給できるのです。
なお、3親等以内の親族とは生活保護を申し込む本人から見て以下の人たちです。
1親等 | 父母、子 |
2親等 | 祖父母、孫、兄弟姉妹 |
3親等 | 曾祖父母、曾孫、おじ、おば、おい、めい |
ただし、実際に扶養照会が入るのは「両親・子供・兄弟・祖父母」あたりまでであるケースが多いようです。
それでも連絡がつかない場合に限り、対象者を広げるという感じです。
世帯収入が「最低生活費」以上ある人も生活保護は不可能
生活保護の受給条件には、「世帯収入が最低生活費以下であること」というものもあります。
このため、世帯収入が「最低生活費」以上だと受給ができません。
最低生活費=最低限の生活をするためのお金
最低生活費とは、憲法で定められた「最低限の生活」をするために必要な生活費のことです。
最低生活費がいくらかは、世帯の人数や年齢、お住まいの地域によって変わってきます。
また、母子世帯扶助や障害者扶助、住宅扶助などの様々な加算もあるため、具体的な金額は人によるとしか言えません。
最低生活費の計算方法はやや複雑
最低生活費の計算方法はやや複雑であり、すべて解説すると非常に長くなるため、ここでは簡略化して解説していきますね。
最低生活費の計算方法はシンプルにすると次のとおりです。
最低生活費=生活扶助基準+扶助
生活扶助基準
生活扶助基準は、「地域の等級」・「世帯の人数」・「世帯の構成員の年齢」から算出されます。
まず、地域ごとに「等級」というのがあり、次の6区分ごとに生活扶助基準の金額が違います。
1級地 | 1級地-1 1級地-2 |
2級地 | 2級地-1 2級地-2 |
3級地 |
3級地-1 3級地-2 |
上記のように分類されているのは、地域によって物価や生活スタイルが違うため、必要な生活費も異なるという考えからです。
一番生活費が多く必要とされるのが「1級地-1」であり、その逆は「3級地-2」です。
地域の等級だけでなく、世帯の人数とその構成員の年齢によっても、生活扶助基準は変化します。
世帯の人数が多く構成員の年齢が高い世帯ほど、必要な生活費は多くなるという考えであるため、生活扶助基準の金額がアップします。
扶助
先に解説した生活扶助基準に、以下のような「扶助」が加算されます。
- 障害者扶助
- 母子世帯扶助
- 児童扶助
- 住宅扶助
- 教育扶助・高等学校等修学費
- 介護扶助
- 医療扶助
どの扶助が加算されるかは世帯の状況によって異なります。
たとえば、母子家庭なら「母子世帯扶助」が加算されますし、障害者がいるのであれば「障害者扶助」が加算されます。
借金がある人は生活保護を受給できない!?
借金がある人は生活保護を受給できない可能性が高いです。
生活保護法に「借金がある人の生活保護の受給はNG!」というようなものはありません。
しかし、借金がある場合、まず「債務整理」をしてから生活保護の申請を進められるケースが多く、その場合は債務整理をしないと申請を受け付けてくれないからです。
債務整理とは、借金を減額あるいはゼロにする以下のような制度です。
- 自己破産
- 個人再生
- 任意整理
- 特定調停
どの債務整理で借金を整理すべきか?
生活保護を受給するなら、おすすめなのは「自己破産」です。
自己破産は借金をゼロにできる制度であるため、手続後は借金の返済をしなくて良くなります。
その他の制度は借金減額の制度ですので、借金は減るものの無くなるわけではありません。
生活保護の受給額は決して多くはないですし、借金があるからといって加算額があるわけでもないです。
このため、今後の生活のことを考えたら、自己破産という選択がベストになります。
10万円以上の現金がある受給できないとの噂もある
不確かな情報ではありますが、10万円以上の現金があると生活保護を受給するのは難しいと言われています。
10万円以上の現金があれば、そのお金でしばらくは生活していけると見なされるからです。
このため、申請の申し込みしても、「お金を使い切ってしまってからもう一度来てください」と申請を受け付けてくれないことがあるようなのです。
ただし、10万円以上の現金があったとしても、光熱費や家賃、公共料金などの支払によりすぐゼロになってしまうのであれば、申請を断られる可能性は低いかと思います。
生活保護の受給が無理そうなら「カードローン」も検討
ここまでお伝えした内容を読んで、「自分には生活保護の受給はハードルが高い・・・」というのであれば、「カードローン」を検討してみるのもありです。
カードローンとは、消費者金融や銀行が提供する、個人がお金借りる方法で最も手軽で便利な方法です。
カードローンの特徴
カードローンには次のような特徴があります。
- 申込条件がやさしい
- 収入が高くなくても利用できる
- 審査と融資のスピードが早い
- 使いみちが基本自由
- 限度額の範囲で何度でも使える
申込条件が、「20歳以上で毎月収入がある方」という簡易なもののであるケースがほとんどです。
審査では収入の高低よりも継続性を重視するため、毎月収入がある人であれば、利用できる可能性があります。
審査と融資のスピードが早く、消費者金融であれば最短即日に借入することも可能です。
使いみちも基本自由であるため、生活費や家賃、公共料金の支払など様々な目的で利用できます。
限度額の範囲内で何度でも使えますので、急にお金が必要になったとき、すぐ対応しやすいです。
カードローンにはこうした特徴がありますので、「お金がなくてピンチ!」という状況に最適な融資商品になっています。
このため、カードローンで借入して、その間に生活を立て直すという選択も検討してみる価値はあります。
生活保護が受けられない人まとめ
次の5つの条件にひとつでも当てはまる人は、原則的に生活保護を受けることができません。
- 売却できる資産がある
- 働くことが可能
- 他に利用できる公的制度がある
- 親族等から援助を受けることができる
- 世帯収入が「最低生活費」以上ある
また、「借金がある人」や「10万円以上の現金がある人」も受給できない可能性があります。
もし、生活保護の受給が難しそうであれば、「カードローン」も検討してみてください。
カードローンは生活保護よりも利用のための敷居がずっと低いため、毎月収入がある人であれば、借入できる可能性があります。